鶏口舎トップページ 一つの作品ができるまで
鶏口舎の作品は、
一つひとつ心をこめて
手作りしています。
入手困難な材料の仕入れ
- 一位の木物語 -
「お地蔵さん」や「猫法師」の素材は、樹齢2000年と推測されている一位の木で作ります。
一位は生育が遅いため、「直径70cmを超えていれば太い部類に入る」と言われていますが、鶏口舎で使っているのは、なんと直径が最大で2mを超える大樹から製材されたもの。
なぜそんなに大きい一位の木が存在していたのかというと、崖から伸びた場所に生えていおり、長年人の手が届かず、そのまま巨木となかったからなのです。
20年以上前に営林署が木曽の山奥で発見され、すでに長寿をまっとうしていたため、伐採してヘリコプターで運びだされました。
機械で製材することは不可能だったため、世界的に有名な木挽き職人の有名な林 以一(はやし いいち)さんが3週間かけて手挽きしたそうです。
林さんが細心の注意をはらって挽いたため、玉のような美しい木目が鑑賞できる製材が出来上がりました。
この木と出会った鶏口舎は「これほどの銘木にはめったに出会えない」と確信し、購入可能なすべての製材を入手。材料としています。
鶏口舎で扱っているその他の木材もすべて「銘木」と呼ばれる最高級のもの。
動物シリーズには、樹齢300年以上の長野県産の天然木曽檜(てんねんきそひのき)を使っています。
天然木曽檜は、白くて上品な木肌を持ち、心地よい香気を放つのが特徴です。最高級の建築用材として、伊勢神宮や明治神宮、法隆寺の五重塔にも使用されています。
デザインを考える
作品のモチーフは、全国各地に伝わる民芸品や郷土玩具です。
日本人は昔から、さまざまな想いをこめて工芸品を手作りしてきました。
例えば、招き猫は、「猫が農作物や蚕を食べるネズミを退治してくれますように」という祈願からからつくられたもの。養蚕が廃れた今でも商売繁盛の縁起物として愛されています。
張り子の虎や雛人形には、愛する子どものすこやかな成長を願って、節句のたびに飾られてきました。
他にも、無病息災や、病気退散、招福など、いろいろな願いを託した工芸品が、全国各地に伝わっています。
絵付け
どうしてこんなに小さなものに細かくかけるの?とよく言われるのですが、描いてみたらかけました(笑)
形を削り出す
動物シリーズは、細かく挽いた天然木曽檜の製材から、少しずつ形を削り出していきます。
おおまかな形ができたら、6本の彫刻刀を使いわけて、500回前後の刀を入れます。
表面にやすりをかけずに仕上げているので、木彫りの独特の風合いを感じていただけるはずです。
その次は、アクリルガッシュによる着色。
塗っては乾かすという工程を10回繰り返し、最後に顔や手を描き入れたら完成です。
一位のお地蔵さん
細かく挽いた一位や檜の製材から、少しずつ形を削り出し、刀を当てていきます。
お地蔵さんはあえて色を塗らずに仕上げているので、木そのものの風合いが感じられます。
一位のお地蔵さんは、経年変化により飴色になっていく様子が鑑賞できます。
インスピレーション
20代のときに中国モン族の民族衣装を中心にアジアの民族衣装や日本の器を集めていました。中国のモン族の民族衣装は、襟だけで引き出しがいっぱいになるほどあります。一つひとつ刺繍の模様や色の組み合わせが違っており、山の紅葉のような美しさに魅了されたのです。
他にも、200個以上のお面や、数えきれないほどの民芸品、陶器の器が部屋中に所狭しと並んでいます。
大量の工芸品に触れたことが、作家としての審美眼や感性を養ってくれたように思います。
PCスペース
ここからいつもCreemaに出品しています。
うなちゃん
ペットのうなちゃんです。うなぎグッズ専門ショップも開くのが夢です。
猫のひのきちゃん
デスクに座ってたらお手伝いをしようとします。かなりの人見知りです。